新・女子校という選択(著者 おおたとしまさ)という本を紹介します。
「新・男子校という選択」という本の女子校版となります。
女子校、男子校ともに減少傾向ですが、全国的には女子校は約6.1%を占めています。
共学と比べて少数派の女子校には、学力以外にも多くの魅力があり、この本で丁寧に解説されています。
女子校の強みを理解して、各家庭の方針にあった志望校選びをしましょう。
- 女子校、男女共学の学校のどちらを選択するか決めかねている人
- 女子校の生態系が分からず、漠然とした不安を抱えている人
- 広大附属かノートルダム清心のどちらに進学するか悩んでいる人(広島の方限定)
【新・女子校という選択の概要】
おおたとしまささん著書の「女子校という選択という本を2019年に情報を更新して新しく出版された本です。
男子校版でも解説されていましたが、別学だからできる教育や指導があり、歴史ある伝統校になればなるほど、教育のノウハウが蓄積されています。
男子校は男女間の成長時期のズレで、女子より遅れている時期に男子を守るというメリットがあると解説されています。
この点を考えると、女子生徒は成長時期のズレで優位に立つ時期がある共学の方がメリットがあると思うかもしれません。
しかし、この本では共学にはない女子校の魅力が解説されていて、勉強になる部分が数多くあります。
*共学、別学のどちらが優れているかという論点では解説されていないので注意してください。
女子校のメリット:学力
学力では、男子校の圧倒的な実績に負けず劣らず優秀な進学実績をだしている学校も多くあります。
女子校では、理数系の科目の授業ではスモールステップを意識する方法や語学の授業では心情をより深い所まで読み解くなどの方法をとることができます。
男子学生が混ざると指導が難しくなる場面も、工夫次第で理解が進みやすくなるそうです。
また、女子は理系科目が苦手といったイメージがつかないように、授業の工夫で対応できる面が多いようです。
*男子校、女子校ともに別学だからこそできる指導法が優秀な進学実績に繋がっています。
女子校のメリット:学力以外
この本で衝撃をうけた文章があり、引用させていただきます。
「女子校の存在意義は、外に向かってアピールするようなものではない。その伝統を受け継ぎたいと思うひとがいることこそが存在意義である」
新・女子校という選択(著者 おおたとしまさ)
何十校と女子校をインタビューされた方が、「女子校には通った人にしか分からない、大切な何かがある」とまとめられていました。
学力の面、友達付き合いの面、教育側の指導法の蓄積など、言葉で表すことが可能なメリットがあるなかで、最終的に「通った人にだけ分かる魅力がある」と説明されています。
*個人的にすごく印象的な説明で、男子校にはあてはまらないとも説明されています。
*この魅力をもとめて、女子校という選択をするのも良いのではと思いました。
女子校のデメリット
男子校と共通することですが、異性とのコミュニケーションが不足するという点です。
卒後数年で解消されることがほとんどであるという点は、男女ともに共通していました。
唯一男女間で違う点があるとすれば、インタビューを受けていた先生側が学校以外の場所で魅力的な男性と触れ合う機会を作れば問題ないと答えていた点です。
男子校の時には、男子生徒の好きなようにという回答とは大きく違った印象です。
また、男女平等という点でも女子校だから困るという説明はされておらず、この本を読むと女子校に通うことの不安が解消されるはずです。
【おまけ:広島で女子校の選択】
広大附属とノートルダム清心の両方に合格した場合、どちらに進学するかは各家庭で悩まれると思います。
もし、保護者の方が清心の卒業生で子供にも清心進学を進める場合は、この本で説明されている、通った人にだけ分かる清心の魅力が保護者の方にはわかっているのだと推察します。
それ以外の場合、本人の意思はもちろんですが、他人には説明しがたい何かを求めて清心に進学するのか、共学の広大附属に進学するかは悩ましいです。
この本を読んで、イメージの部分とデータで説明できる部分に分けて判断することをオススメします。
【まとめ】
- 女子校は別学を生かして女子生徒に合った指導方法で優秀な進学実績を出している。
- 女子校には、通った人にしか分からない特別な魅力がある。
- 女子校のデメリットも卒後数年で解消されることが多く、心配し過ぎる必要はない。
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