中学受験で進学校への志望理由が将来医者になることを目指している受験生もいると思います。
コロナの影響で医学科進学は、人気が上昇している職業の1つです。
ダイダイの広島受験ブログの管理者は、広島の公立高校から国立医学部医学科に現役合格した現役バリバリの医者です。
医学部入学から医者になるまでの流れから、実際に病院の勤務などの事情は得意な話題です。
今回は医学科入学から医者になるまでの方法を解説しますので、知識の整理に役立てばと思います。
- 将来、医者になることを考えている学生、ご家庭
- 医者になる方法を調べたことがなく、イメージが湧かない方
【結論】
- 医学部医学科に進学し、医師国家試験に合格すると医者になれる。
- 医学部医学科に進学する方法は、一般入試、推薦入試がある。
- 広島大学の推薦入試「ふるさと枠」を知ると、中学受験に対するプレッシャーが緩和される。
【解説】
大学入学から医者になるまで、時系列に整理すると次のようになります。
①医学部医学科に入学する。 ②医学部医学科を卒業する。 ③国家試験に合格する ④初期研修医(一般的には医者と呼ばれます。) ⑤○○科の医者になる。研鑽を積み、一人前の医者を目指す。
1つ1つの流れについて、ポイントを確認していきます。
①医学部医学科に入学する。
①は多くの方が知っている通りで、医者になるためには医学科に入学する必要があります。
「医学科に入学」に関しては、後で深堀りします。
入学の時点では、医者の専門分野(内科、外科、小児科など)は決まっていません。
最終的に専門分野を決めるタイミングは卒業後になりますので、具体的な医者のイメージが湧かない人でも問題ありません。
②医学部医学科を卒業する。
②をあえて項目として挙げた理由があります。
医学科は留年する人が当たり前にいる学部です。
また③の国家試験に合格する可能性が低い学生は、卒業試験の時点で落第させて卒業できないように調整がかかることもあります。
医学部入学後も留年せずに卒業するためには、しっかりと勉強に励む必要があります。
③国家試験に合格する
③は医師国家試験のことです。
医師国家試験の合格率は90%程度で、自動車普通免許の合格率よりも高い数字です。
無事、医師国家試験に合格できると、晴れて医者となることができます。
④初期研修医
④医師国家試験に合格した学生は、あらかじめ卒業前に就職活動をしておいた病院に勤務することになります。
「マッチング」といわれ、病院と医学生の集団就職活動が取りまとめられています。
就職活動のタイミングや病院が雇える研修医の数が、国全体でコントロールされています。
マッチングを利用せずに医者になるスタートをきる人は、ほぼいません。
*医学部卒業後に医者にならない選択をする場合は、③と④の間で分かれることが多いです。
⑤○○科の医者になる
外科医、小児科医など専門の道に進むことができるのは初期研修医の2年間を終えた後になります。
これまでの全ての試験をストレートで合格した場合、⑤の時点で最短26歳となります。
この時点で一人前の医師として実力が備わっているわけではありません。
努力を積み重ねて少しずつ1人前の医者になります。
*小学生から考えると、○○科の医者となることは遠い未来のように感じるかもしれませんね。
医学部医学科に進学する方法は、一般入試、推薦入試がある。
中学受験で難関校に進学して医者になることを目指す受験生は、「一般入試」を目標にしていることが多いと思います。
中学、高校で勉学に励み、大学入試の前期・後期試験で医学科の合格を手にする方法が一般入試です
一般入試の難易度は非常に高く、高い偏差値帯での争いとなります。
一方で、推薦入試は一般入試と比べて、共通テストなどの得点率では劣ることがしばしばあります。
そのため、推薦入試で合格した人を揶揄する声が一部であるようです。
実際に一般入試以外の合格者の留年率が高いことが問題視されている学校もあります。
しかし医者になることが目的である場合、合格を手にする方法など全く関係ありません。
一般入試以外にも、どのような推薦入試が存在するか調べて、医学科合格を手にする手段を増やしておいた方が良いでしょう。
推薦入試の方法を知ることで、中学受験で進学校に合格できなかった場合や学力に伸び悩んでしまった場合も、医者になることを諦めなくてよいことが分かります。
医者になりたい小学生が中学受験で最終的な進学先を決定する際に、医学部の一般入試と推薦入試に精通しておくことで、合格の可能性を広げることができる。
*病院勤務で多くの医者と仕事をしていますが、患者さんの治療をしている時に、一般入試と推薦入試、国公立卒と私学卒などは区別がつきません。
広島大学の推薦入試「ふるさと枠」を知ると、中学受験に対するプレッシャーが緩和される。
推薦入試の中には「地域枠」と呼ばれるものがあります。
「住んでいる地域」や「年齢」などで、推薦入試を受けることができる人を最初から制限している制度です。
広島大学では「ふるさと枠」と呼ばれ、他の県などでも同様の制度があります。
もともと、医師不足の地域で医者を確保するために作られた仕組みです。
広島の「ふるさと枠」では定員18名の合格枠があり、月額20万円の奨学金が支給される代わりに、広島の医師不足の地域での勤務が与えられます。
医者になるための②―④には影響はありませんが、⑤には大きく影響を与えます。
具体的には、勤務地に制限がかかり、思い通りのキャリアプランを描けない可能性があります。
医学科に合格しなければ医者になる権利を手にできませんが、医者になった時の選択肢が狭くなることを避けたい学生は、「ふるさと枠」を回避します。
つまり、一般入試でも合格可能性が十分ある学生は、医者になった後の影響を考えて、あえて「ふるさと枠」で入学する選択をする必要はありません。
結果的に「ふるさと枠」の純粋な学力の難易度は、一般入試に劣る可能性も十分考えられます。
学校での評定も影響するので、どちらが容易であるかは一概には言えません。
「ふるさと枠」の事を知ると、中学受験の時に最難関校に不合格でも、他の学校で十分な学校生活と学力向上をすれば、医学科進学のチャンスが十分あることが分かります。
【おまけ:医者になるためのお金について】
医者になるための費用について、おまけで解説します。
まず、国立進学と私学進学で大幅に費用が異なります。
国立:入学金30万円+授業料約350万円(年間60万円弱×6年間)
私学:入学金数百万円+授業料数千万円(6年間)
*私学は学校によって、金額が大きく異なりますが、けた違いに国立が安くなっています。
しかし、国立に進学できた場合でも6年間分の授業料を払うことも困難な家庭もあるかもしれません。
経済的な理由で医学部進学が困難な家庭でも、広島の「ふるさと枠」のような奨学金がある制度を利用することで、医者になる選択肢を諦めずにすむ方法があります。
ふるさと枠:月額20万円貸付 6年間総額1440万円を借りることができます。
*指定された勤務地で働くことによって、1440万円は返済不要になります。
地域枠を利用することで、卒業まで十分に勉学に励むことができるお金を手にすることができ、お金を理由に医者になることを諦めなくてすむことを知っておきましょう。
【まとめ】
- 医者になるためには一般入試、推薦入試など、本人の相性にあった入試で医学科合格を手にする必要がある。
- 一部の入試では、医者になった後のキャリアプランに制限を受けることも理解しておかなくてはならない。
*医学部関係、医者生活などの質問がありましたら、得意分野なのでお力になれると思います。遠慮なくご連絡ください。
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