将来になりたい職業に「医者」を考えている人向けの記事です。
医学部に入学する方法には一般入試の他に、地域限定の入試枠を設けている学校があります。
広島大学医学部にも「ふるさと枠」とよばれる入試枠があり、広島県内出身限定で18名の枠が存在します。
「ふるさと枠」を利用した場合、一般入試で入学した場合と異なる点が複数存在します。
今回は、医療関係のご家庭以外ではなかなか知ることができない、入学後の違いに焦点を当てて解説します。
僕は医療関係ではない家庭出身で、医者業界の事情を全く知る機会がなく衝撃を受けたので、同じような境遇の方の参考になればと思います。
- 広島大学医学部の「ふるさと枠」について知りたい方
- 医学部入学後の制約について知りたい方
【結論】
- 一人前の医師になる点では、ふるさと枠でも全く問題ない。
- ふるさと枠入学では、医者になった後の勤務先に一定期間制限を受ける。
- 月額20万円の奨学金を6年間貸与され、特定のキャリアに進むことで返済免除となる。
【解説】
まず、最初にお伝えしたいことがあります。
「ふるさと枠」や一般入試など、どのルートで入学しても、一人前の医師になれるかどうかは入学後の本人の努力次第です。
一緒に仕事をさせて頂いてる先生方で、入試の違いが気になることは全くありません。
ふるさと枠で入学して授業などについていけるのか?
ふるさと枠で入学した学生の成績が良くないことがあるというのは、医師業界で話題になることがあります。
大学名は出しませんが、ふるさと枠出身の医学生の留年率、国家試験浪人率が高い学校もあります。
広島大学医学部ではそのような現象は起きておらず、優秀な学生が集まっているようです。
わざわざ公式パンフレットに医師国家試験合格率が掲載して広島大学では一般入試の生徒に劣っていない学生が入学していることをアピールしています。
このような成績を記載して背景には、ふるさと枠の学生の学力を心配する声が医療業界には存在するからです。
最初にも書きましたが、本人の努力次第なので入試制度自体は問題ないと個人的には考えています。
- ふるさと枠の学力を心配されることがあるが、入学後の本人の努力次第である。
勤務先の制限は、医師キャリアに影響があるか?
パンフレットには、柔軟な体制でキャリアが描けると紹介されています。
しかし、個人的には医師キャリア設計に勤務先制限は影響があると考えています。
医者として働き始めた後も、専門医取得、大学院進学、留学など多くのイベントが待ち構えています。
これに加えて、育児などのイベントも重なるとスケジュールは非常に密になります。
スケジュール以外にもう1点、小さい文字で書かれている注意事項があります。
「卒後3年目以降は、広島大学各診療科への入局を原則とします」という文言です。
医学の勉強を開始した後に、広島大学では学べないことが判明した場合でも、原則は諦める必要があります。
柔軟に対応して頂ける可能性もありますが、どこまで対応可能なのかは個々のケースに委ねられます。
- 勤務先制限期間は重要イベントが多く、キャリア設計に影響を受ける。
- 専門分野(外科、小児科など)に関しては、自由に選択できる。
貸与型の奨学金制度のデメリットはないのか?
勤務先の制限などを受け入れ、制度の通りに勤務すれば奨学金の返済免除になるため、デメリットはありません。
一方で「お金を返金して、自由に勤務先を選択する人が問題である」と医師業界では話題になります。
お金を返して自由な勤務地選択を選ぶ場合、医師世界の狭さから不自由な思いをする可能性があります。
踏み込んだ話はしにくいのですが、不思議な強い力が働き、広島で将来働くことは難しいでしょう。
また、勤務先制限を受け入れずに奨学金を返済した場合、金利が年利3%あります。
ふるさと枠という制度を使う限りは、奨学金を返済することを考えない方がよいと思います。
- ふるさと枠の奨学金は返済することではなく、義務期間を勤めて免除してもらうものである。
【まとめ】
- ふるさと枠出身の医者と切磋琢磨しながら勤務しています。
- ふるさと枠の制度は、かなり癖のある制度なので注意が必要である。
- ふるさと枠を理解したうえで、一般入試などと比較検討する。
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