広島叡智学園の公式HPで、過去3年分の入試問題が公開されています。
叡智学園は歴史が浅い新設校で、一般的な入試問題ではなく「適性検査」で学生選抜が行われます。
適性検査と国語の読解問題は異なりますが、題材の文章を理解することができなければ両方とも解答はできません。
時間がある時に一度入試題材の文章に触れてみて、文章の内容を適切なスピードで理解できるか確認してみましょう。
【結論】
叡智学園では、入試年のトレンドを少し意識した題材を取り上げられている。
適性検査で問われる内容は、筆者の意図を400字でまとめることで統一されている。
【入試題材:2021年調べ】
2019年 野中健一「虫食む人々の暮らし」
「昆虫食」という言葉が少しずつ取り上げられることが増えてきた2019年に採用された題材です。
この本は発行年2007年に発行されていて、受験年とは少し年代が離れています。
流行トピックとして取り上げられた年に、題材としてこの本がクローズアップされたと考えます。
2020年 田向健一「生き物と向き合う仕事」
獣医師の先生が書かれた著書です。
2020年のセンター試験が最後であったことも影響があるのかもしれないが、「学校の勉強」「教育」「常識」などの部分を引用されていました。
例として生き物を取り上げているが、大きなテーマが隠れていて入試問題としても400字弱でまとめるように問われています。
2021年 内山節「『里』という思想」
「コロナ」の影響により、人や地域との関係性などを考えさせられる2021年に採用された題材です。
この本は2005年に発行されグローバル化が進んでいた頃に出版されていました。
2021年度も筆者の意図を適切に読み取ることを入試問題として問われています。
【おまけ:叡智学園から問われる能力を考察】
適性問題Bの大問1では、題材の文章をテーマに以下の力を問われます。
大問がもう1題あるため、30分前後でこの課題に解答する必要があります。
- 筆者の意図を読み取り、要約する力。
- 筆者の意図に対して、例を挙げて自分の意見を述べること。
- 300字から400字で文章をまとめること。
1.筆者の意図を読み取り要約する力
日常生活で長い文章を読んでいない受験生は、改めてトレーニングを積む必要があります。
ツイッターなどのSNSは文字数制限があり、ヤフーニュースなども必要な情報をまとめてあるため意識的に長い文章に触れ合う機会をつくる必要があります。
しかし叡智学園で取り上げている文章量は多くありません。
「文章を読む量、スピード」だけなら、入試問題対策中に自然と鍛えられる部分もあります。
一方で「要約する」という作業は、日常生活や受験生活から抜け落ちる可能性があり注意が必要です。先生の話を聞いたら要約する、講演会があったら要約する、本を読んだら要約するなど重要な部分を察しまとめる訓練をしなくてはなりません。
要約する能力は国語の問題で問われる機会もありますが、頻度的には少ないため補う必要があります。
「要約する能力」に注目して、鍛えることが1つ大切となります。
2.筆者の意図に対して、例を挙げて自分の意見を述べること。
自分の意見を述べること機会は、受験生によって大きく分かれます。
普段の生活から「どう思う?」と聞かれる機会が多いだけでも、「意見を持つ」という所までの能力は鍛えられます。
あとは「意見を持つ」から「意見を述べる」と言葉に変換する能力を鍛えなくてはなりません。
「意見を持つ」機会を増やし「意見を述べる」練習をすることが、適性問題Bの突破に有用と考えます。
3.300字から400字で文字をまとめること。
文章を○○文字でまとめることは、純粋にテクニックと考えています。
本職で論文を書く機会がありますが、基本的には文章を書くには「型」があります。
英語論文では特に「型」が顕著で「型通り」になっていないだけで相手にしてもらえません。
「型通り」に書く練習をすることが、文章を書き始める第一歩となります。
「300字から400字でまとめること」という問題文の前には「一般的な文章の書き方に準じて」という文言が隠れています。
「一般的な文章の書き方」は入試問題とは勉強の方向性が異なるので、まさに適性問題対策となります。
1.2の力を鍛えながら最終的に受験をすると決めた段階でトレーニングを開始すれば間に合います。
【まとめ】
- 筆者の意図を読み取り、400字でまとめることが入試で問われる。
- 同レベルの文章を読み取ることができるのか、時間がある時に入試題材を読んでみることをオススメする。
- 日常で鍛えられる力、意識的に機会を作り鍛える力、適性問題のために補う力を理解して伸ばすと良い。
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叡智学園についてまとめた記事も参考にしてみてください。
【学校徹底分析】広島叡智学園について | ダイダイの広島受験ブログ (daidaijyuken.com)
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